看護師は女性の仕事という風潮は現在でも根強く残っているため、男性看護師は需要が高いにも関わらず必要な人員は常に不足しているのが現状です。看護師は患者の体を支えるなど力仕事も多く、場合によっては強く押さえる必要があります。力が強い男性看護師は様々な医療機関で必要とされていますが、医療の現場でも女性の仕事と見なされているため、男性が看護師として活躍する場は多くありません。ターミナルケアのように患者の余生を安らかなものにする医療現場では体を支える介助作業が多いので男性看護師は不可欠な人材ですが、患者の側にも女性の仕事のイメージがあるので受け入れにくい状況になっています。
男性看護師が働きにくい理由は体に触る介助作業への拒絶も挙げられます。特に女性の患者は医療行為の一環であっても男性に体を触られるのを嫌がることが多いので、肌を密着させる介助作業を男性看護師が行うことは難しい現状があります。ターミナルケアは余命わずかな患者が苦痛を感じない暮らしを営むことをサポートするための医療行為なので、安定した介助が出来る男性看護師は貴重な人材です。医療の現場や患者の認識が改まることで、ターミナルケアの質を大きく向上させることが出来ますが、強く根付いたイメージを変えるのは非常に困難です。男性看護師を積極的に雇用してイメージを変えることに尽力する医療機関も増えていますが、それでも必要な人員の確保には至っていません。